みえる  みえる! 検査が見える!!

   兵庫県立柏原病院 検査放射線部 吉田幸子 安井幸代

 

患者様から「もっと検査について知りたい!」という声が看護部に多く寄せられていることや、糖尿病教室終了時に実施したアンケートでは、患者様が「検査結果について十分に説明を受けていない」と感じられているということを知り、その声に応えていく為、平成17年に検査情報チームを立ち上げ、種々のツールを利用して検査情報を配信しています。配信方法としては、モニター放映と検査情報端末の2種類を用意し、患者様がパソコンを操作できるできないに拘わらず情報を提供できるように工夫しました。コスト面でも、低機能パソコンに各種フリーソフトを活用することにより低価格で実施することができました。モニター放映編では、数秒おきに画面を切り替えて検査情報を発信し、検査情報端末編では検査項目・病状・各臓器から検査に関する情報を検索できるようにしています。以下にそれぞれの特徴を述べます。


<モニター放映編>

パソコンの操作ができない患者様に検査情報を配信するため、採血室前と生理検査室前にモニターを設置しています。モニター掲示の場合は、検査や処置の待ち時間を少しでも快適に過ごしていただける事に主眼をおき、数秒毎に画面を切り替えて、検査についての説明や、病院内で実施している各種教室の案内と、心が和む丹波市内や県内の風景を撮影した写真などをスライドで放映しています。

年齢や体調、検査に対する興味も異なる患者様に、一方的に映像を流し続けるといった方法をとっている為、患者様の負担にならないよう次の点に注意しました。

@待ち時間の苦痛の緩和を主たる目的にしているため、風景写真など心癒される写真を基調にし、その合間に検査についての説明を挿入する形式にしました。

A検査に関する内容は、平易な説明に徹し、どの部分から見始めても内容が理解できるよう工夫しました。

B画面の文字の大きさや字体は離れていても見やすいものにし、画面の切り替わる時間については、当院外来患者の多数を占める70歳以上の方が無理なく見ることのできる時間設定にしました。

Cメンテナンスについては、タイムリーな情報を提供するため月1回更新しています。またアンケートを実施し患者ニーズを把握しました。

  

50人の患者様及び付き添いの方に協力いただいたアンケートの結果は、スライドを案内することについてどう思われますか?という設問に対し8割以上の方が案内したほうが良いと思うと回答し、ではスライドの良かったところはどんなところですか?という設問に対しては、36%の方が 今から受ける検査の内容についてわかったと回答し、16%が写真を見て気持ちが和んだ、又同じく16%が待ち時間の苦痛が少しは和らいだと回答しました。

平成19年現在、小児科待合前に1台と眼科待合前に1台新たに設置されています。小児科、眼科ともに各診療科の医師が自らスライドを作成し、患者様に検査や病気に対する理解を深めていただく一助になっています。検査情報チームの取り組みが病院全体の取り組みへとステップアップしている事は、チーム医療を担う検査部としても励みとなっています。

<検査情報端末編>

パソコンの使える患者様を対象に、会計や診察待ちに利用されている薬剤部前待合に設置し、検査の情報を発信しています。検索可能な項目は、院内で実施している血液検査項目を中心に、生理検査や病理・細菌検査についても検索できるようにしました。

【特徴】

@検査項目あるいは病状・臓器から検査データを検索できるようにしました

 Aパソコン周囲をデコレーションし、親しみやすくしました。

 BQ&Aコーナーを設け、患者様からの質問に答えられるように工夫しました。

 【利点】

@    &Aの方式で患者様からの質問には、検査技師の回答を医師が確認の上表示できるため、信頼性がより高まりました。

A    対話方式の検査相談室でないため人員配置が不必要で、常に標準化された回答が可能になっています。

B    H184月からの外来迅速検体検査加算に対応した至急報告書発行において、患者様は医師から説明を受けた後、自身で検査の内容についてさらに詳細な検索も可能です。

C    HTMLファイルを開くだけなので、低機能パソコンで十分使用可能です。

 【経過】

今までQAコーナーに届いた質問を一部紹介しますと、「腫瘍マーカーはどんなときに上がりますか?」「HDLコレステロールが正常より高いのですが大丈夫ですか?」「腎臓の検査にはどんな検査がありますか?」など検査に関する質問から、「いろいろな事がわかっておもしろかった。」「検診でひっかかったけど検査説明を見て理解できた。」「これからも検査のことを色々教えて下さい。」といった励ましの言葉も頂いています。また個人的な質問には担当科を受診して頂くようにお願いしています。その他、血液検査の結果表の説明が欲しいとの要望もありましたので、自由に持ち帰って頂けるように、検診などの項目について簡単な説明と基準値を印刷した資料を情報端末横に置いています。

【結果】

検査情報を提供することで患者様の満足度が向上し、患者サービスに寄与できました。また、QAコーナーを通して患者様と検査技師の接点がより深まり、両者の距離を近づけることができました。

【今後の展望】

今後はタッチパネル方式・動画配信・プリンター設置などを取り入れ、より使いやすくわかり易い情報端末にしていきたいと考えています。また、2階採血室前にも1台増設し、待ち時間に使って頂き、これから受ける検査の意義や、病院での検査技師の役割を知って頂けたらと思っています。将来的には患者様の多様な要望に応えるため、技師個々が自己研鑽につとめ、患者様と直接対話ができる検査相談室(LI室)の設置を目指したいと考えています。