乳がん検診促進キャンペーン 報告


平成25年 928神戸市西区民センターにて、(公社) 兵庫県臨床検査技師会・
(一社)日本臨床衛生検査技師会 主催、兵庫県・神戸市・兵庫県がん診療連携協議会・
認定NPO法人乳房健康研究所 後援のもと、標記のキャンペーンを行いました。

 まず、医師の立場から、今村美智子先生(兵庫医科大学病院がんセンター助教、乳腺・
内分泌外科病棟医長)による「正しく知ろう!乳がんは治る病気です〜あなたとあなたの
家族を守るために〜」と題して、検診の重要性、乳がんにならないための心がけ、
乳がんになったとしても、適切な治療により治る可能性が非常に高い病気であることなど
を最近の診断・治療を中心に解説していただきました。乳がんは女性にできるがんのなか
で最も多く、その割合は最近のデータでは16人に1人と言われています。どの年齢でも
発症しますが、特に40代後半から50代が最も多い年齢です。症状としては、主に“しこり”
として触れることが多く、自分で発見することが可能であるため自己検診はとても重要で
あると述べられました。最近の市町村による乳がん検診には、視触診のほかにしこりとして
触れない小さながんも発見することができるマンモグラフィーが導入されており、この段階
で治療すればほぼ100%治すことが可能なことも話されました。乳がんは早期発見と早期
治療で完治でき、日頃から自己検診を心がけ、また40歳を過ぎたら定期的なマンモグラ
フィー検診を受けることが大切と感じました。

 臨床検査技師の立場から、原留成和技師(神戸市立医療センター中央市民病院)に
「病理検査と乳腺腫瘍」と題して講演していただきました。認知度は未だ低いですが、がん
の診断を確定するうえで、非常に重要な検査である病理検査(組織診断・細胞診)の紹介
から始まり、腫瘍、がんとはどんなもの、そして乳がんについて実際の手術標本写真やがん
の組織、細胞の顕微鏡写真を提示しながら話されました。

 また簑輪和士技師(神戸市立医療センター中央市民病院)には、「乳腺の超音波検査
〜乳腺を診よう〜」と題して、乳腺超音波検査(エコー検査)について解説していただきま
した。乳がん検診では、がん病巣のサインであるとされるカルシウムの沈着(石灰化)の
検出に鋭敏であるマンモグラフィーはひとつの柱です。一方、乳腺超音波検査(エコー検査)
は、触診で「しこり」とわからない小さなものでも数ミリ程度の大きさがあれば見つけることが
できるぐらい、装置の性能(解像度)が改良されたこと、また検査に携わる臨床検査技師の
技術も向上しており、超音波検査の役割が拡がってきていると示されました。乳がんはゆっく
り進行するがんですが、放置したり発見が遅れるとがん細胞は血液やリンパ管を通って全身
に拡がっていきます。マンモグラフィだけで乳がんが見つかるわけではありません。超音波
検査とマンモグラフィの利点を有効に活かして、より小さい病変をより早く発見し早期治療に
導くことが大切であると述べられました。

 それぞれの視点からの講演でしたが、分かりやすい説明にうなずきながら聞きている方
や熱心にメモを取っている方もおられ、乳がんの早期発見・早期治療、そして検診の重要
性を少しでもご理解いただけたのではと思います。