県立成人病センター

 当成人病センターの発足母体は、昭和37年に神戸市で発足した財団法人兵庫県がんセンター(101床)です。昭和46年には財団から兵庫県へ移管され県立病院がんセンター(120床)となりました。昭和59年には県立成人病センター(180床)と改称し現在の明石市へ移転しました。病棟増設や内部機構の新設、廃止など幾多の変遷を経て現在(400床)に至っております。

 兵庫県内には現在、12の県立病院があり地域の中核病院や専門病院として位置づけられています。当センターはがんを主体とする成人病の専門的な治療と研究を行うことを設置目的で謳い、兵庫県の対がん戦略を推進する役割を担った専門施設であります。現在は、腫瘍内科の設置や外来化学療法室の改築を行い、院内各部においてもがん医療への取り組みを進めているところです。
 検査部は33名の技師、3名の医師で構成され、検体検査、生理検査、病理細胞検査を行い、検査結果の迅速報告を心がけています。特にがん専門病院の特殊性により病理検査の術中迅速が月平均100件あります。
 病理組織診断は年間約11000件、細胞診は約16000件あり、全国のがん診療施設のなかでも有数の件数を取り扱っています。また、近年急増する免疫組織染色に対応するために、150種類以上の一次抗体を揃え、自動免疫染色装置を導入して対応をしています。
 血清検査においては、腫瘍マーカーの外来診察前採血による1時間以内の報告や、細菌検査室では免疫機能低下患者様の真菌症の検知目的のβ―D−グルカン測定の至急対応、肺がん鑑別のための結核菌PCRの迅速検査などをしています。
 血液・輸血検査室では、輸血一元化をいち早く取り入れ輸血の安全性と迅速な対応を図っています。
 生理検査室においては、手術前チェックや化学療法前後の心機能チェックのための心エコー検査を至急対応で検査実施しています。安静心電図異常が見られた高リスク患者様に対しては、心エコー、マスター負荷試験、ホルター心電図を3点セットと称して即日対応することを基本方針として取り組んでいます。
 平成18年4月からはオーダーリングシステムが導入されました。富士通EGMAIN-EXと病院情報ネットワークLANを介して検査システム(ITEC)、検査Webシステム、輸血検査システム(オーソ)、細菌検査システム(デイド)、病理検査システムの各サブシステムと接続してます。
 病理検査ではオーダリング化と画像ファイリングシステムを導入し、病理検査の結果や画像が外来や病棟の端末で参照することが可能になりました。
 生理検査では、心電図、肺機能などの検査結果をスキャナーにて取り込みWeb配信することで、臨床の現場で結果参照することが出来ます。
 本医療情報システムの特徴は、当センターの理念である「わたしたちは医の倫理に基づいて、医療を受ける方々の生命と健康を守ることに最善をつくします」に基づき、情報の共有化により高度かつ安全な医療の実現、電子機器を用いた診療録の充実、患者サービスの向上、診療情報の有機的活用による疫学、治療成績、治験、基礎データの蓄積など臨床研究の支援を目的とし、近い将来の電子カルテシステムへのスムーズな移行をめざしています。
 チーム医療への参画としては、栄養サポートチーム(NST)が、平成17年度に立ち上がり、平成171130日に第1回目の病棟ラウンドを開始し、現在毎週1回のラウンドに医師、栄養士、看護師、薬剤師と共に検査技師も参加しています。
 ラウンドにおいては患者さまと直接相談することもあり、経口摂取可能な栄養補助食品やメニューの設定なども行い、オーダーメイド感覚の食事作りも行っています。

 感染対策委員会には、細菌検査室の技師が資料作成、会議録作成の他、病棟ラウンドや毎週のミーティングに参加しています。
 この度、兵庫県はがん拠点病院の指定を取れませんでしたが、当センターは兵庫県におけるがん対策の中心的な医療機関としての存在は疑う余地の無い所で、今後も、臨床からも患者様からも、さらに満足いただけるような検査室を目指しています。

                                      兵庫県立成人病センター 検査部
                                       記 兵臨技副会長 中山 亮一