和光純薬工業(株) 臨床検査薬研究所  
      〜兵庫県最東端の施設をたずねて〜 
(*兵臨技”会員名簿”掲載施設参考) 



 今回取材させていただいたのは和光純薬工業(株)臨床検査薬研究所です。兵庫県
の東端の尼崎市の中でもさらに東側に位置し、研究所の窓からは大阪市の中心地の
ビルが一望でき、淀川一本渡れば大阪市です。
 これまでHYOGOニュースや兵臨技ホームページ等で紹介してきました施設は病院が
ほとんどでしたが、今回は企業のなかでも研究所ということで、今までとは違った取材
内容になったと思います。

谷本主席研究員にお話を伺いました。

                        谷本 和仁(和光純薬工業(株)臨床検査薬研究所)

当臨床検査薬研究所は、7つのグループで構成されており、幅広い分野の技術力を駆使し
ながら、オリジナリティーの高い新製品の研究・開発に注力し、現代の社会的ニーズに応える
研究活動を行っています。近年、人々の健康に対する関心がますます高まる中、疾病の予防
や早期発見・治療を実現するために、臨床検査分野には大きな期待が寄せられています。
疾病の予知や体質診断など、明日の医療を支える最先端分野においても、つねに価値ある
臨床検査薬を開発し続け、医療の質の向上に貢献していきたいと考えております。
 また、当研究所では、ISO13485認証を取得して、高品質の臨床検査薬を安定的に供給で
きるような品質保証体制をとっております。一方、環境面でも環境負荷の少ない界面活性剤
を選定するなど、地球に優しい製品の開発にも積極的に取り組んでいます。

 引続き、メールで取材させていただきました内容を掲載いたします(敬称略)。

広報:今回の取材は研究所ということで、病院や検査センターでの検査業務とは違ったことが
      あると思います。研究所の簡単なご紹介をお願いします。
谷本:当研究所は8階建て延べ床面積約6200m2の建屋で、1階と8階を除く6フロアが研究用
      設備となっています。用途に合わせて各階の設備は全て異なりますが、基本的に実験室
      と居室に区切られた構造となっています。ここで勤務する研究員は約60名でフロア毎に
      生化学、免疫化学、微生物学、遺伝子など、研究グループ別に配置しており、癌や生活習
      慣病の診断における検査試薬、感染症検査試薬など、様々な製品の研究・開発に取り組
      んでいます。
広報:研究所は兵庫県以外にありますか?
谷本:かつては東京にもありましたが、現在は臨床検査薬研究所は全て兵庫県尼崎市のこの
      研究所に集約されています。
広報:一般に臨床検査技師は女性の方が多いですが、研究所では研究員の中で女性は何名
       いらっしゃいますか?
谷本:当研究所の女性所員は現在12名となっております。
広報:研究所に臨床検査技師はほとんどいらっしゃらないとのことですが、何名ぐらい所属され
      ていますか?
谷本:現在、当研究所に臨床検査技師の資格を有している研究員は1名です。
広報:所属されている臨床検査技師さんがどんな仕事をしていらっしゃるか、検査技師学校で
      学んだことがどのように役立っているか等を教えていただきたいです。
谷本:当研究所は薬学、農学、理学、工学など、いろいろな分野出身の者がおりますが、大学
      での専門分野にとらわれずに検査薬の開発を担当するため、臨床検査技師といっても特に
      なにか特別な仕事をしているわけではありません。しかし、臨床検査の勉強をしてきている
      ことから、臨床検査の詳細は他分野の出身者より専門性が高い点は強みだと思います。
広報:臨床検査技師の多くは病院、検査センター等で働いておりますが、臨床での検査業務の
      経験を研究に活かして、今後、研究の分野で働くことは可能でしょうか?
谷本:もちろんそれは可能だと思います。先にもお話しましたように、専門知識も既に持っており
      ますので、研究開発のスキルや、なにより意欲のある方ならどなたでも可能だと思います。
広報:製品の研究・開発をされるとき、難しい点、苦労する点、また大変なところはありますか?
谷本:どんな医薬品にも共通して言えることだと思いますが、開発段階で確認できる患者様の
      検体数にはどうしても限りがあります。フィールドに出て初めて遭遇するような特殊な検体
      もたくさんありますので、外部施設様の評価なども得ながら、どんな患者様の検体に対して
      も、誤った結果を出さないような事前確認、ここにかなりの時間と神経を使います。
広報:これから研究の分野で働こうとする人へのアドバイス(どんな知識や技術が必要なのか等)
      をお願いします。
谷本:基礎化学や酵素反応、抗原抗体反応、遺伝子、医学の知識、さらには基礎実験の経験も
      多いほど有利であることは間違いなく、言い出せばキリがありませんが、どんな仕事でもほ
      とんどの場合は入社してからの知識や経験の習得が重要であることは間違いありません。
      そういう意味では今は専門の知識や経験があまりなくても、研究という仕事に興味を持ち、
      知識、経験を積み重ねて意欲を持ってスキルアップしていくことが重要なのではないかと
      思います。
広報:つかぬことをお聞きしますが、施設内には社員食堂はありますか?
      あるようでしたら、一番の人気メニューとその値段を教えてください。
谷本:社員食堂、ありますよ。人気メニューと言われると困るのですが、和食、洋食、一品もの、
      カレーor丼物+うどんorそばの4種類があり、日替わりでメニューが異なるので、その日の
      内容を見て好きなものをひとつ選ぶという形式になっています。 最近は数量限定ですが
      「ダイエットメニュー」というのがあり、女性やメタボが気になる男性社員に人気のようです。
      お値段ですが、どれを選んでも1食250円固定で、外で食べることを思うと破格にお安い
      価格設定となっています。お味はそれなりによく、たまに食べられる外部の人からはなか
      なかの好評価を得ています。
広報:最後に、研究の今後の展望、研究活動のPR等をお願いします。
谷本:弊社の経営理念は「科学技術の振興と学術研究の進展に寄与し、人々の豊かな暮らしに
      貢献する」というものです。臨床検査は病気の予防、早期発見、経過観察にはなくてはなら
      ないものであり、当研究所では、一人でも多くの患者様の助けになるような有効な検査薬の
      開発に尽力しております。また、検査技師の皆様が使いやすい、高精度である、といったニー
      ズに合った高品質の製品を迅速に提供できるようスタッフ一同、日夜努力していますので、
      どうぞ今後とも和光純薬工業(株)の臨床検査薬をますますのご愛顧とともによろしくお願い
      いたします。

 今回の取材では、病院や検査センターに勤めている技師にとっては新鮮に感じることも多く、
貴重なお話を伺うことができました。会員の皆様にとっても、非常に興味深い内容だったのでは
ないかと思います。お忙しいところ取材にご協力していただき、ありがとうございました。

            (広報部:達摩知子、増井裕、小林真、鳥居良貴、情報センター:小松敏也)

 

 

 

 

 

 





  写真:和光純薬工業(株)臨床検査薬研究所

   
  写真1

写真:左から谷本主席研究員、中村所長、高垣所員